大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(う)3157号 判決

被告人 相馬正夫

〔抄 録〕

控訴趣意第一、第二点について。

原判決は犯罪事実として、被告人は、電気蓄音機箱、ラジオ聴取機箱の製造販売業を営んでいたものであるが、その製造場で製造した物品を移出販売するに当り、故意にその事実を正規の帳簿に記載せず又は架空の名義を用いた納品書を発行する等の方法によつて、これが物品税を逋脱しようと企て、原判示第一乃至第二十記載の如く電気蓄音機箱等を税抜価格にて販売しながら税務署に申告をなさず或は過少に申告して物品税を逋脱したと認定しているので按ずるに、原判決は被告人が販売した価格を以て直ちにいわゆる税抜価格としてこれを課税の標準額と認定しているのであるが、右認定の課税標準価格が、物品税法所定の課税標準価格即ち当該物品を製造場から移出するときの物品の価格で、しかもこれに課せられるべき物品税に相当する金額を含まないものに該当するものであることは、原判決の挙示する証拠は勿論記録を精査するも輙くこれを肯認することができない。しからば前記の価格を基準として物品税逋脱額を算出した原判決は、審理を尽さない結果証拠によらないで事実を認定したか或は法律の解釈を誤り延いては課税標準価格の算定を誤つて逋脱額の認定に誤りを冒したものであつて、いずれにしても右の過誤は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、結局論旨は理由があることに帰し、原判決はその他の控訴趣意に対する判断を俟つまでもなく破棄を免れない。

(三宅 河原 遠藤)

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